2013年03月06日
【読感文】我々はいかに「石」にかじりついてきたか

我々はいかに「石」にかじりついてきたか
日本フリークライミング小史
菊地 敏之著
題名の通り、フリークライミングの話です。
日本のクライミングの黎明期から最近までを
筆者の視点で書かれています。
すでに紙の本は絶版になり、
僕が買ったのはKindle版です。
つまり復刻版となるわけですね。
これを書いている時点で、
中古は4千円前後ですから、
Kindleって偉大ですよねえ。
まあ中古本業界の人にとっては
最悪でしょうけど、
筆者の菊池さんは、
10年続いたクライミング専門誌、
クライミングジャーナルの
3代目編集長を務めた方です。
やはり編集長を務めた方は
文章が面白いですよね。
内容が内容だけに、
記録系の話が続くところは
ちょっと飽きてくるのですが、
裏話的なところなどは、
とても興味深く面白いです。
次女がクライミングを始めて
約8ヶ月経ちますが、
最近クライミングもまた、
いろいろな問題があることが
分かって来ました。
僕がこれまで携わってきた、
釣り、キャンピングカー、
カヤック、ボートと、
すべての遊びに共通する問題です。
ゲレンデ(遊び場)の問題。
観光産業や地元住民とのトラブル。
駐車場問題。
ゴミ。
排泄。
事故。
読んでいてグッと来たのは、
雑誌でゲレンデを紹介した結果、
「掲載したから問題が起きたんだ!」と、
言われたというエピソード。
釣り、キャンピングカー、
カヤック、ボート、すべてで
僕も同じ体験しています。
遊び場をオープンにすることによるトラブル。
趣味は楽しいものですけど、
必ずついて回る問題は
なんだか共通するのだなあと、
この本を読んでつくづく考えさせられました。
後半のクライミングジムの
開業が始まるあたりは、
へえええと思ってしまいました。
老舗とかがよく分かったので、
今度行ってみようかと。
文中に出てくる南裏健康さんは、
次女が通うスクールのコーチです。
本に登場するとこんななんだと思い、
先日話したところ、
「あれ無茶苦茶書いとるよね」と
苦笑いされていました。
紙のほうは絶版ですが、
kindleで復活したことを話すと
「今度あいつにたかってやる」と。
とても面白い方です。(笑)
ということで、
クライミングに興味のない人は
つまらないと思いますが
クライミングに興味のある人には
おすすめです!
Posted by 近藤利紀 at 08:32
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